「山羊」と「羊」の違いは、遺伝子の数の差なの⁈

正太郎」は20代の青年。

好奇心が旺盛でエネルギッシュな行動力。

都会に住んでいるが、昔知り合った牧場主の農場に年に数回、手伝いをしながら高原生活エンジョイしている。

また、生まれつき動物や植物と会話できる特殊な才能を持っている。

農場には、多くの種類の動物が飼育されているが、正太郎はの群れが特にお気に入りで、「ショー太」と名前を付けた羊と仲が良かった。

 

 

(このストーリーはフィクションです。現実社会の話題を取り上げながら、想像世界との対話スタイルにしています。)

 

 

  グレートリセット=大きな出直し

 

正太郎: 

最近、この星の世界が騒々しくてね。

グレートリセット」とか、「ムーンショット」とか、自分たちには訳が分からないことが多くてね。

 

羊のショー太:

そうだね、日本語的には「Weblio」で「リセット」は「すべてを元に戻すこと」「最初からやり直すこと」「状況を切り替えるためにいったんすべてを断ち切ること」って教えてくれているけど、その大きい版と考えれば良いことになるよね。

 

正太郎: 

ショー太は、羊さんの立場なのに、良くそこまでさっと分かるんだね。

 

羊のショー太:

うん。

最近は意欲のある羊には、ネットにアクセスできるように牧場主さんがしてくれたんだ。

ここの牧場主さんは、とても心が優しいひとだし、能力主義の面もあるんだ。

だから、人間たちが今どういう世界でどういう営みをしているかは、結構情報が取れるんだよ。

ということで、ま、『大きな・出直し』だよね。

・・・・・自分たち羊の世界でも、だいぶ昔に似たようなことがあったようだね。

 

 

  よく似ている羊と山羊

 

正太郎: 

そうなんだ。

羊さんの生活スタイルも元は違ったものだったんだ⁈

 

羊のショー太:

そうだね、元々は、自分たち「」も「山羊」と同じところから、分かれてきたらしいよ。

ずっと伝え聞いている事なんだけど。

 

正太郎: 

確かに、山羊と羊って、一見似ているよね。良く知らない人は、見分けが付かない人もいるんじゃないかな。

 

羊のショー太:

そうなんだよ。

しっぽ、あごひげ、角の形に違いはあるけど、一見同じように見えるけど、簡単に言えば、性格や行動性に大きな違いがあるんだよ。

 

正太郎:

で、どんなふうに違うの?

 

  性格と行動が正反対の羊と山羊

 

羊のショー太:

の性格は僕のように、とても大人しく従順なんだよ。

 

正太郎:

そうかな、そうじゃないところもあるけど。

 

羊のショー太:

羊の一般的な性格を言っているんだよ。

基本的に臆病なので、単独行動が不得意で、リーダーに従いやすい性質を持っているんだ。

 

正太郎: 

へえ、それって日本のことを言ってるんじゃないの?

 

羊のショー太:

そういうことを考えて言ったわけじゃないけど、そう思えたら、日本の人間は羊と似た性格を持っているんじゃないの?

 

正太郎: 

そんな風に話が展開するとは。

 

羊のショー太:

山羊」さんたちの性格は、自分たちにはない強い性格、好奇心は強く、攻撃的で、負けず嫌いで、一匹狼じゃなくて一匹山羊のような性格、単独行動も得意なんだ。

山岳地帯の険しいところも、勇敢に上って、頂上を制覇するんだ。

 

正太郎: 

好奇心旺盛なところは、自分にも似ているなあ。

でも山羊って、すごく強い性格、エネルギーを持っているんだね。

 

  リーダーにならず、リーダーに従う羊

 

羊のショー太:

そうなんだ。

だから、若干、いや相当見た目も違う種類なんだけど、牧場主さんがわざと羊の群れに一頭だけ入れて、群れのリーダーにすることもあるんだよ。

ちょっと性格的に違和感はあるんだけど、あの屈しない態度、強い者にも敢然と立ち向かって一歩も引かないところが魅力となって、心理的引っ張られて行っちゃうんだよね。

 

正太郎: 

それって、人間の歴史で、「ヒット〇ー」のことと何か似ているような・・・・、変な方向になるのでこの話は終わりま~す。

 

羊のショー太:

山羊さんの魅力の話になっちゃったけど、そういうことを言おうとしたんではなくて、自分たち「羊」が「山羊」さんがもつ特徴がなくなっていることを言いたかったわけ。

主体性とか積極性、勇敢さとか攻撃性、不屈の精神力、・・・全部自分たちにはないものだから。

 

正太郎: 

そうか。

でも何か聞いていて、耳が痛いよ。

今の日本人、それが足りないというか。

 

  遺伝子数の違いと性格の違い

 

羊のショー太:

正太郎は積極的だし、勇敢なところがあるから、日本男子の中では「山羊」さんタイプかな?

あ、ここで、忘れちゃいけないのは、「山羊」さんと「羊」の遺伝子の数の違い。「山羊」さんは60に対して、「」は54

遺伝子が6足りないんだ。

 

正太郎: 

その足りない遺伝子の中に、さっき言った魅力の「主体性」「積極性」「勇敢さ」とか、もろもろあったということか?

 

羊のショー太:

そうなんだよね。

そういう自主独立的な性格が無くなって、大人しく従順で、群れとしてリーダーに付いていくような性格になっていること。

これは、牧場主さんとしては、とても管理しやすくて、効率がいいよね。

「我思うところあり」って、一匹で脱出して、人間も牧羊犬も追いかけられない、山の岩場も登山家顔負けのロッククライミングをしていくんだから、そんなのが何十頭もいたら、牧場は解散、破産だものね。

 

正太郎: 

ショー太は随分経営感覚があるんだね。

 

  依存する「羊」と依存しない「山羊」

 

羊のショー太:

そういう観点で見れば、昔の牧場主さんは、大人しい、たくさんのを少ない労力で飼っていける方法を考えたという事だよね。

今の、ここの牧場主さんのことじゃないよ。

ここのオーナーさんはとてもいい人だから。

食生活だって、山羊さんは、基本は雑食で何でも食べる。

人間の残飯だって、山にあるもので食べられるものは何でも食べるから、人間に依存しないで生きていけるんだ。

すぐ、野生に戻れる素質を持っているんだ。

それに比べては集団で、柵で囲まれた広い牧草地があって、人間と牧羊犬に管理された食生活をしている。

そこから、脱出して自活する勇気もないし、羊毛を納める代わりに、毎日の食事は面倒見てもらえることになっているんだ。

 

正太郎: 

あれっ。

それって、自分たち人間のこと言ってるみたいだ。

 

羊のショー太:

そうかなあ、それもあるかもしれないね。

 

正太郎: 

ああ、今日はショー太とのお話、第一回目、いろいろ話したね。

また、これからも、お話の続きをして行こうね。

 

羊のショー太:

自分も勉強になることあるし、また続けていこうか。

 

(第一回 お話会終了)